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営業とマーケティグ組織構築のススメ〜#03 営業とマーケティング間における顧客価値への共通認識化〜

営業とマーケティング間における顧客価値への共通認識化

ターゲットと新規顧客の価値に共通の価値観を持つ

顧客を創造するといった活動を考えた場合、創造する対象はなにも完全な新規顧客のみではない。たとえば既存顧客、既存顧客からの紹介や横展開といったターゲットも重要な顧客だ。
その場合、全ての顧客創造をマーケティングが担うといったケースは少ないだろう。既存顧客を中心とした活動は営業部門が担うケースが多いはずだ。

この時、顧客創造という一つの活動に対して双方の機能に異なった優先順位という概念が生まれる。
それは受注までの活動工数や確度が異なるからだ。当たり前の話だが既存顧客に近いほど、受注までに発生する営業工数や受注障壁は低い。新規顧客であるほど受注障壁や営業活動工数は嵩んでいく。
そうすると当然、営業部門は既存顧客に対する工数を優先しがちになる。
そのとき双方の部門として認識すべきは、新規顧客の受注獲得によって得られる価値の共通理解だ。

新規顧客の価値を正しく理解する為に、CLV(顧客生涯価値)という考え方が非常に重要だ。
これはよく使われる言葉だが、要するに一つの顧客が生涯によって生み出してくれる価値の総計を指す。
新たな顧客を生み出すことによって得られる生涯価値の認識を営業とマーケティング間でまず合わせることが重要だ。

そうすると、生涯顧客価値の高いターゲット顧客はどんな定義となるか、という協議が生まれる。
ここまでくると、自然と営業とマーケティング間で生産的な協議が行える土壌ができているはずだ。
生涯顧客価値の高いターゲット顧客、というフレーズとなると、単純なターゲット定義では不十分となるため、コトラーのSTPやそもそもポジショニングを決める為の戦略整理、という考え方も必要となる。

ターゲットはあらゆる施策の成果を決定づける非常に重要なテーマとなるので、さまざまなフレームワークを用いて是非時間をかけて双方協議を重ねてほしい。

マーケティング戦略策定のフレームワーク理解

営業とマーケティング間が協働で戦略を策定する場合、先人たちのマーケティングフレームワークの活用は有効だ。
ただもちろんフレームワークを用いれば答えが得られるからという理由ではない。

有能な人材が別のミッションで集まって違う価値観で協議をする場合、立案した戦略に対するロジカルな論理展開や裏付けが求められるケースが多い。その点フレームワークは、これまでの研究の蓄積によって生まれている考え方なので、まずその整理手法そのものが目的と利用シーンさえ間違えていなければ議論が行ったり来たりする、といったことはない。

戦略策定時に気を付けるべきポイントは、正しいプロセスで戦略を整理しつつ、正しい目的や利用シーンでフレームワークを活用し、必要に応じて仮説を検証する裏付けとなるデータを用いることだ。

顧客開拓投資の計画策定

開拓すべきターゲットの定義まで整理することができたら、開拓投資の計画策定について検討する必要がある。
この計画策定においては、必ずCLVという考え方を用いてもらいたい。
顧客生涯価値という概念が抜けてしまうと、どうしても既存顧客を中心とした短期的な投資対効果が得られる施策に目が行ってしまう。
それが間違っているという訳ではなく、計画策定上本質的な協議の上で決定することができないという意味だ。

新規顧客の投資目的は、そもそも短期的な収益確保ではなく長期的な生涯顧客価値への期待投資だ。
その期待投資に対してどれだけのリスクを経営として負うかの判断をする上で、そもそも受注に対してどれだけの収益回収が期待できるのか、という発想は決議する上で不可欠な考え方だ。

これは明確に1社の顧客から得られる生涯顧客価値を明確なルールの元数値化せよ、という意味ではない。
もちろんそうすべきではあるが、新製品や新規市場参入の場合、仮説で協議するにも限界がある。

その場合ある程度CLVという発想と得られる収益期待の肌感が営業とマーケティング間で共通認識で持てていればよいと考える。

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